ワインを飲む時、ビールジョッキに注いでもおいしくないですよね?そしてビールを飲む時は、日本酒グラスは使いません。それぞれのお酒をベストな状態で味わうためのグラスは、お酒の種類によって異なります。
2018年12月末に誇酒プロジェクトが販売を開始した千代泉酒造所の泡盛100%の「31/32」。この泡盛をよりおいしく味わうために作られたのは、耐熱ガラスのボロシリケイトグラスを使ったチブグヮー(お猪口)「chibu glass(チブグラス)」です。ネーミングの由来は「チブグヮー」と「ガラス」から。
このシンプルで美しいchibu glassを手がけたのは、ガラス作家の津田 亮(つだ りょう)さん。本部町にアトリエ兼ショップ「houhou(ホウホウ)」を構え、毎日こちらで作品作りをされています。
作品を作り上げる上で津田さんが大切にしているのは、感性と遊び心だそう。そして「他では作っていない、僕しか作れないものを作り上げたい」と話します。
誇酒プロジェクトの代表 比嘉康二さんは、とあるお店で津田さんの作品を見て一目惚れ。揺らぎを感じさせる柔らかな質感とタッチに、琉球ガラスとは異なる魅力を感じたと言います。そして早速津田さんに“泡盛を味わうための酒器”の制作依頼をしました。
量を飲むことが目的ではありません。1杯を大事にちびちびと味わってもらうための酒器。そして飲むだけでなく、手にとって「可愛いな」と楽しんだり、使うことで五感が刺激されるようなものが欲しかったと言います。
“限りある命を目で確かめることができるように”と透明のボトルに詰めた「31/32」を味わうための酒器は透明がいい…そう感じていた比嘉さんと、“世界にひとつだけの作品を残したい”と思っていた津田さんの共同作品です。
〈琉-Ru〉と〈球-Mari〉2つのブランドがセットになったchibu glass。
縦の線が流れるように美しい「琉」と、抹茶茶碗をイメージし、シンプルで無駄なラインをそぎ落とした「球」。泡盛をストレートで楽しむために生まれたガラスのお猪口です。ひとつひとつ手作りなので、よく見ると微妙に表情が異なります。
薄くて軽いのに壊れにくく、透明感を持ちながらも、温もりや優しさが感じられるchibu glass。
泡盛は「大きな琉球グラスでしか飲んだことがない」という方は、ぜひ一度体験してみませんか?
chibu glassを使うことで雰囲気も相まって、より一層“泡盛時間”が楽しくなるはずです。
———
文・プロフィール
舘 幸子 / Sachiko Tachi
父が転勤族だったせいか「出身は?」と訊かれるとどう答えてよいのか、いつも迷っていました。生まれは静岡ですが東京と京都暮らしが長く、2013年春に沖縄に移住しました。
以前はフードコーディネーターとしてカフェやお菓子メーカーのメニュー開発に携わっていました。それでも、書くことが好きだったことがきっかけで数年前からライターのお仕事を本格的に始めました・
———
<商品のご紹介>
31/32 Chiyoizumi distillery 1948-2018- No.31
ひっそりと蔵の中で眠っていた千代泉酒造所 泡盛。宮古島や千代泉酒造所、泡盛の歴史や文化に触れていただければと思います。ちぶぐぁ(おちょこ)にて少しづつ、味と香りを楽しみ、泡盛の歴史や千代泉酒造所の想いを感じながらご堪能ください。
・原材料/米こうじ(タイ産米)
・アルコール分/43度
・内容量/500㎖
・熟成年数/帳簿不明のため年数表記ナシ
・蒸溜機/横型蒸留機
・濾過/千代泉酒造所での保管状況から濾過ナシ
・製造元/沖縄酒造協同組合
・販売元/泡盛倉庫
・12,960円(税込)