
幻になった泡盛、
限定復活への狼煙。
沖縄県宮古島の狩俣地区にあった小さな泡盛蔵【千代泉酒造所】は、二〇一三年に諸事情により休業、泡盛生産はストップ、惜しまれながら二〇一八年に廃業となりました。
地元住民に親しまれ、飲み継がれていた「千代泉酒造所の泡盛」は世の中から姿を消してしまったかに思われましたが、廃屋となった酒造所の蔵にわずかに残った泡盛を発見、そのお酒に新たな命を吹き込みつつ、泡盛文化を見つめ直すプロジェクトが始動しました。
限りある千代泉酒造所の泡盛を、泡盛ファンはもちろんのこと、世界中のアルコールファンへ。
それは、貴重な泡盛を飲むというだけではなく、泡盛を通して物語を楽しみ、豊かな文化に触れるものとなれば幸いです。
〜誇酒プロジェクト 代表 比嘉康二〜

千代泉酒造所 泡盛の特徴
宮古島の先端に位置し、古くからの伝統祭祀を今でも行っている「狩俣」という歴史ある地域。
千代泉酒造所は、その地で戦後間もなく泡盛製造を開始し、昔ながらの製法を守りながら、泡盛を造り続けていました。酒造所の名は、
「千代に枯れることなき泉のごとく平和を願う。」
という思いをこめて名づけられました。
千代泉酒造所で造られる泡盛は、宮古島の隆起サンゴ礁からなる地層から染み出した湧き水を仕込みなどに使用しているため、味わいは柔らかな甘さとコクが特徴で、泡盛特有のすっきりとした飲み口と、手作り感のある素朴な味が特徴です。
「狩俣の酒」として親しまれ、他の地域の酒造所のお酒を持って狩俣を訪れると、集落入り口にある共同売店で、千代泉酒造所のお酒と交換してくれていたという逸話があるほど、狩俣や宮古島の人たちに愛されていたお酒。ほとんどが島内で消費され、
希少性の高いお酒でした。

千代泉酒造所 泡盛
限定復活に向け
千代泉酒造所 泡盛を再商品化、準備を進めるにあたり多くの障壁が立ち並んでいます。そのひとつに権利のこと。千代泉酒造所 泡盛であることに変わりはないですが、ネーミング(千代泉という名前)・ラベル・ボトル・パッケージなどそれぞれに権利があるため、再商品化には、全ての要素を新たにデザインする必要があります。
誇酒プロジェクトでは、幻になった最後の泡盛を余すことなく丁寧にみなさまへご提供できるよう進めていきたいと思います。